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カメリアカレッジ 教育講座の開講(第2回) ≪カメリア≫

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らっけん? おちけん?

■□はじめに■□

2011年1月22日、特別養護老人ホームカメリアでカメリアカレッジで教育講座(第2回)が開講されました。カメリアカレッジは月1~2回程度水曜日の夕方に開講していましたが、地域の方がお越しになりやすい時間をと考え土曜日の午後の開講となりました。教育講座は1月~5月まで一ヵ月につき2回のペースで開催されます。この講座開講にあたっては旧亀島小学校の初代校長である三浦一郎先生の全面的なバックアップを受け、講師の調整や全体の流れなどのプロデュースをしていただきました。

今回は第2回目の開講。江東区教育委員会の教育委員長の宇佐美衛さんによる「江東区の現状」と題した講演が開催されました。地域町内会の方、カメリアカレッジを通じてお付き合いのある方など29名の方の参加でした。

 会のはじめに湖山理事長より「亀島小学校の魂と気持ちを受け継いでこの施設ができた。学ぶという気持ち、学びたい、教えたいという気持ちは生涯変わらない。生涯学んで楽しんでいただきたいためにこの施設を開設した。子どもと教育の未来を考えたい。ずっと学んでいきたい。この会を楽しみにしているのでこれからもよろしくお願いします」とお話しをいただき会がスタートしました。
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写真左が宇佐美先生、右が三浦元校長。

講師紹介:宇佐美衛(うさみ まもる)。昭和36年6月生まれ。6人兄弟の長男。早稲田大学政治経済学部卒業。在学中は落語研究会に在籍していた。昭和63年に宇佐美ビル㈱を設立。現在同社の代表取締役。社内ではFCビジネス(びっくりドンキー、BOOK- OFFのFC経営)、宇佐美造林の代表取締役。祖父の会社を引継ぎ3代目。東京湾観音を建立される。明治小学校PTA歴任。平成12年江東区教育委員会の教育委員に選任。現在教育委員会、教育委員長(~平成24年)

講演の要旨

■□教育委員就任まで■□

◎教育委員会への関わりの経緯:きっかけは明治小学校PTA会長からはじまる。地域のしごとの最初のきっかけはPTA。PTAでは子どもたちに語りかける機会がたくさんある。

◎教育委員となって、子どもとの掛け合いで話す機会が多く、子どもからとの掛け合いの言葉もあり楽しみにしていただいている。

◎教育委員長就任のきっかけ:山﨑区長からの強い誘いがあり教育委員長に就任。教育委員長就任により(自ら経営する)会社から離れる時間が増えた。行政機関との付き合いが多いために、行政の仕事の進め方などを自社の従業員にフィードバックするように努めている。行政の会議の仕方にも学びが多い。会議手法における段取り、結論等において行政での学びが多い。

◎落語の披露:落語を一席披露いただきました。心情として芸惜しみは恥。学びの機会が多いのでやることにしている。以前には老人ホームでボランティアで落語を行ったことがある。宇佐美さんいわく、落語を覚える際の原則として、好きかどうかが覚えやすさにつながるそうです。ご披露いただいた落語は「世の中に出たらさまざまな答えがある」という主旨に共感を覚えご披露いただいたとのこと。出席された方の中には初めて落語を聞いて楽しかったですという感想も述べられ、ウィットの聞いたお話しで会場は笑いに包まれました。
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■□江東区の教育の現状■□

◎教育現場の課題:世の中が険しくなっている。自殺者の3万人を超えるなど世の中は厳しい中で教育現場も厳しい状況にある。

◎区内でのいじめ、不登校対策(教育委員となって定めたこと):学校裏サイトの削除、携帯電話の持ち込み等々。

◎区内の人口急増:豊洲北小学校4年間で10クラス(19年度)→30クラス(23年度)、300人(19年度)→1,100人(23年度)。急増はするがやがて生徒は減る局面の中で対策をどのように講じるか?

◎若い先生の増加:教員5年目までの数が全体の27%。経験が少なく、指導力も高める必要がある人材が多い。ベビーブーマー世代の教員の退職を迎え若い教員を指導する教師が貴重になってきた。

◎小1プログラム:集団生活になじめず授業が成立しないことを差す。少人数学級。江東区は1~2年生を30名学級にすることを検討している。「小1 支援員の導入」→歩き出す、生徒の排泄時に父母、PTA経験者が夏休みまで授業のサポートをしている。幼小保の連携と交流。

◎中1ギャップ:学級担任制から学科担任制に変化する。区内では2校の研究校を設けて平成20年度、21年度で研究を実施した。先生の数を増やして中1で実施することを小学校から実施する検証を実施。予算をつけて継続することが必要。

◎きっずクラブ:安心安全。小学校43校全校で実施しようとするもの。
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■□教育委員長■□

◎就任する際「今の教員はさまざまなことがありすぎて子どもとのかかわりが少なくなっているのでさまざまなことを取り払って、子どもとかかわれる時間を作ってほしい」と、三浦先生からご教示いただきそのことばを大切にしている。

◎教育委員とは?:アメリカから導入されたのが「教育委員」制度。江東区の最初の教育委員は公選で選任された。投票率が低いこともあり、昭和31年から任命制となった。平成12年からは保護者の参加。会議公開。全国の教育委員13,615人(うち10%が保護者が務める)。江東区は非常に稀な事例。教育委員の平均年齢62歳。教職経験は33%(退職校長が教育委員になることが大変多い)。

◎都道府県の教育長:1.6年の平均在任期間。教育よりも出世のポスト化の傾向があるようです。

◎指導室の重要性:統括は副校長の資格をもって区内の教員を指導する。指導室長は校長資格を有し、校長を経験して着任しています。

(出展)上記の数値の出展は以下の書籍に依拠します。
小川正人(著)市町村の教育改革が学校を変える~教育委員会制度の可能性~ 岩波書店
加治佐哲也(著)教育委員会の政策過程に関する実証的研究 多賀出版

江東区教育委員会
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■□質疑~感想・質問~■□

≪質問≫亀島小学校の卒業生です。保護者の考え方と教員の考え方の相違をどのように埋めているのか?保護者会には決まった方しか来ない。教育委員会としての考え、スタンスは?ご教示願いたい。
≪回答≫時代背景もあるし、一概には言えない。自分にとってのアンチテーゼを味わう時期もあったり、神のように好きな先生もいたりして正解はない。汎用性のある回答もない。世の中には多様な考えを持つ保護者の存在。モンスターペアレンツの存在が教育委員会指導室の業務の多忙さに拍車をかけている。指導室への苦情電話は3時間に及ぶことも!! 保護者の3分の1は無関心、3分の1は反発、3分の1は共感だと考えている。解答はない。それぞれです。

≪質問≫音楽療法の会社を営んでいる者です。民間での経験を生かして行政で活用されたことはありますか?
≪回答≫指導室から副校長、副園長の講話を行ったが、周年行事、研究発表で学校に訪れた際におもしろかったと聞かされることがある。

≪質問≫区の教育委員会としての教育の質の担保、全体の質の向上に努めているのか?
≪回答≫学校の校長の裁量による。学校へのアプローチの方法は多様。

≪質問≫若い先生が増えていると伺った。1年生の親を持っています。学年主任が60歳で退職するようだが、若い先生だけでは不安。何か対策はないのか?
≪回答≫再任用もあるが校長の権限で決めていくことになる。PTAの意見を拝聴しながら校長が決めていくことになる。

≪質問≫なぜそんなに落語が上手なのですか?
≪回答≫落語は早稲田で落語研究会でやっていた。早稲田と東大だけは落語研究会の略称を「らっけん」と呼びます。その他の大学は「おちけん」と呼んでいます。
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(写真左が池田さん、右がレスマイさん)

今日の講演でご参加いただいた池田朝子さん、レスマイさん。池田さんは雑誌の編集者を務め現在は経営者。昨年5月にカラーセラピー講座の講師になっていただきました。両名とも国際医療福祉大大学院の通う大学院生でレスマイさんはカンボジアからの留学生で現在大学院(修士課程)に通学しながらカメリアでのアルバイト、池田さんは社会人としてお仕事をしながら大学院博士課程に所属し、カメリアカレッジの聴講にお越しいただいています。
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宇佐美さんから「高座の舞台の設営をしていただけませんか?」とのリクエストがあり急きょ高座舞台を仕立てました。この高座用の座布団は受注生産。浅草3丁目の谷和ふとん店さんに通常注文から1週間かかる納品をお願いして早めの納品をしていただきました。

■□さいごに■□

 ご自身のご子息も学校に通う世代だそうで、保護者代表の教育委員長は稀なようです。巷間ではアイロニーに満ちた嘲笑が跋扈するなかで、落語を通じた笑いは爽快さを感じつつ、歴史を俯瞰しながら教育のあり方について考えるいいきっかけになりました。教育は小学校、中学校は人間性を形成する上でもっとも大切な時期です。そこでの多様な生徒や保護者からのニーズに対応しながらも、「教育」の本質を捉えてのお話しは大変有意義でした。ありがとうございました。

 次回は2月12日(土)14時~16時に「本校教育の沿革と現状」の演題で江東区立第一亀戸小学校・校長の永岡先生に講演していただきます。第一亀戸小学校はカメリアのある亀戸3丁目の校区の小学校で、平成14年3月の亀島小学校の統廃合の際には統合先の小学校となりました。
参加無料です。参加・聴講をご希望される方はカメリア会(03-5836-2311)までお問い合わせください。

(2011年1月22日 香山 英司)