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タイ・ヘルスケア視察交流研修報告(参加者から ~玉村 留美さん~)

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まず、第一回目は、社会福祉法人苗場福祉会の玉村留美さんから寄せられたレポートを掲載します。

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2月6日から11日まで、タイ・カンボジア研修に参加させていただきました。
東南アジアへの渡航経験はなく、
お話をいただいた時に漠然と抱いたのが後進国で衛生環境が悪いというイメージでした。

しかし、いざタイに着いてみると大きな空港、高層ビルが立ち並んだ都会的な姿に驚きました。
街中を移動すると、あちこちに国王の写真が飾ってあったり、仏像や象を祭った社(?)があり、愛国心と信仰心がとても強い国であることが伝わってきました。
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写真の真ん中が玉村さん

◆1日目は、バンコク市内観光。
ウィークエンドマーケットは広大な敷地にたくさんの店が立ち並び「これこそ、東南アジア」を思わせる所でした。続いて、アユタヤ遺跡。世界遺産や史跡好きの私としては、映像や本でしか見ることのできなかった世界を目の当たりにでき、とても感動でした。

◆2日目から、いよいよ視察。
午前中に訪れたBan Bang Khae高齢者福祉センターは、タイ国内に20ヶ所ある福祉センターの先駆けで開設から58年が経つ施設。基幹的な福祉センターのなかでも先駆的であり、介護の数値化(日本の要介護認定のようなもの)や介護技術の標準化などにも取り組まれており、ケアのマニュアル、システムの整備が今後の課題であると話されていました。広大な敷地の中に小さなコンドミニアムのような一戸建ての入居スペースや重介護、認知症と症状に合わせた建物、有料老人ホームがあり、その随所に緑(庭や憩いのスペース)があしらわれており、日本には無いとてもゆったりとした空間を醸し出していました。40床ある有料老人ホームについては、待機者が700人もおり宝くじに当たるより難しいとのお話でした。ここに24年間住んでいるという90歳の女性は、年齢を感じさせないほど若く、ハツラツとして見えました。入居者が日本のようにスケジュールに追われることなく自由に過ごされており、時間がとてもゆっくりと流れているように感じ、日本でも見習わなければならないところだと感じました。
 リハビリルームは遊び心があり、黙々とリハビリを行うだけでなく楽しみや癒しをともにしながら実施できるところが、おもしろいと思いました。全体的な印象として、日本に比べ心の豊かさに対するケアが充実しているように感じました。

 午後から訪れたBangsithongは、町立の高齢者リハビリ・福祉センターで、ちょうど日本の保健所と保健センター、地域包括支援センターの機能を併せ持った施設。全家庭のスクリーニングを実施、ケアプランを立案し、多機関が連携して目標達成のために取り組んでいるお話は、まさしくケアマネジメント。とても興味深くお話を聞くことができました。
 中でも、コミュニティワークに力を入れておられ、お寺を中心としたコミュニティをうまく活用し、地域連携が図られていると感じました。

 センターのあるノンタブリー県の人口が9870人、うち60歳以上の高齢者が1194人、高齢化率は12.09%。タイの合計特殊出生率が1.7人(実際にはもっと低い)。
 大使館の方から、この10年間で65歳以上の人口が4倍に増えたとのお話もあり、これから介護問題がクローズアップされてくるのかなと感じるとともに、介護が制度化されたとしても、現在構築されているコミュニティを守り続けていってほしいと思いました。

◆3日目は、タイの2つの病院を視察。まずは、バンコク国際病院。タイの株式市場に上場しているアジアでNO.1、オセアニアでNO.2の民間病院。メディカルツーリズムを実施しているので世界中から最先端医療を求めて受診される方がいるとのこと。見学させていただいた病室は特別室ということもあるが、ホテル張りの設えがあり驚きでした。診療科は30、全て自由診療で毎年2科を閉鎖し、新しい科を開設しているとのこと。医師に給与はなく患者からもらう診療代から病院側へ5~6%支払った残りが給与となる。診療代は医師が価格を決定する仕組。医師にとっては、自分の力を高く買ってもらえる職場でありやりがいを感じられる場所であると思いますが、株式ということは利益も追求しなければならないと思うので、医療と利益という部分に違和感を覚えました。タイでは、救急車等も病院所有。移動の途中、救急車輌の音はするが日本のように他の車輌が避け道を譲る気配が無かったのは、公共の車輌ではなかったからなのでしょうか?

 次に訪れたのは、クルアイナムタイ病院。こちらは、保険診療と自由診療を行う総合病院とタイ初の高齢者専門病院、看護助手養成施設を持ち、在宅の高齢者や子供に介護士の派遣事業を行っている施設。特に印象に残ったのが、看護助手養成施設。カリキュラムの内容を聞くと、准看護師のような業務を担う人材を養成している感じでした。医療介護技術から伝統医療と言われるタイ古式マッサージ、民族歌謡や接遇まで幅広い教育を実施している現場を見せていただきました。タイにはまだ介護士の資格がないと言うことで、介護技術の実習現場をみると冷や冷やする場面もありました。同行してくださった大使館の方のお話では、学生はこの仕事が天職だと思い学ばれているとのこと。今後は、湖山グループとの交換研修も実現するとのお話なので、タイの溢れんばかりのホスピタリティの心と日本の介護技術を教え、学びあい、お互いを高めあっていければ素晴らしいと思う。タイでは、どの病院でも西洋医学と伝統医療の両方を提供しているとのお話でした。医療面でも精神的な安堵感(リラクゼーション)が随所に盛り込まれていると感じました。

◆4日目は、カンボジアへ移動し母子健康センターと国立のカルメット病院を視察。カンボジアの農村部の医療事情を聞くと、戦後間もない頃の日本の話を聞いているような感じで、インフラと衛生面の整備が最優先であると感じました。

 カンボジアでは、日本に留学しカメリアでアルバイトをしているレスマイさんに初めてお会いしました。夕食には8人のご兄弟家族、総勢30名余りが集まってくださり家族の絆の深さを改めて思い起こすとともに、温かなもてなしの心に触れることができました。
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◆研修全体を通じて。
 毎日、時間に追われるように過ごしている日本を離れ、ゆっくりと時間が流れている異国の地で、溢れんばかりのもてなしの心や家族愛に触れることができたことは、とても貴重な体験でしたしリフレッシュになりました。今回の研修を機にタイとの交流も深まり、互いを高めあい、自国でより良い介護が提供できるようになれば素晴らしいと思います。研修に参加させていただき、ありがとうございました。

(2011年2月17日)