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吉田信三のアメリカだより 第1回 

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国際アナリストで湖山医療福祉グループ顧問でもある吉田信三氏が学術研究のためにアメリカ東海岸のマサチュッセッツ州ケンブリッジ市に滞在しています。

同氏には、これから折にふれて、アメリカの政治、経済、社会をはじめ介護や福祉など――アメリカの息吹を現地からリポートしてもらいます。

1回目は、ただいま全米が “熱~く”なっているアメリカの「中間選挙」についてです


アメリカは、大統領選挙と大統領選挙の中間の年に行われるから「中間選挙」戦のまっただ中にある。今回は、上院(任期6年、定数100)の3分の1にあたる37の議席と、下院(任期2年、定数435)の全議席が改選される。また全米37州で知事選も行われるが、オバマ大統領にとっては就任から2年間の実績を問われる国民審判の場でもある。
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中間選挙の様子を伝える新聞

それにしても2年前、オバマ氏が「CHANGE!」、「CHANGE!」を叫んで登場したあの熱気はどこに行ってしまったのだろうか。今や見る影もない。「ひとりでも多くの国民が保険診療を受けられるように」と苦労して作った医療保険制度改革も国民にそっぽを向かれた。
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ケンブリッジ市の市庁舎

泥沼化したイラク・アフガン戦争に国民は苛立ち。長期の不景気から経済が改善する兆しが見られない。失業率は10%近くまで上昇。国民は怒り、その矛先はもっぱらオバマ大統領に向けられている。一時は70%前後もあった大統領の支持率は、今では40%台半ばまで落ち込んでしまった。
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候補者を応援する立て札を立てる家

医療保険制度改革にしても、アメリカには4600万人の無保険者がいると推定され、保険に加入しやすくする制度作りは歓迎されるような気もするが、必ずしもそうではないようだ。友人のパトリック君は筋金入りの共和党支持者。その彼が言うには「莫大なカネがかかる国民皆保険など増税なくしてはありえない。政府はそこまで国民の面倒をみなくていい。大きな政府は社会主義的な発想だ」とにべもない。
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政策への賛否を表明する立て札の立つ家 アメリカならではの光景

私が住んでいるマサチューセッツ州は伝統的にリベラル色の強い土地柄だ。ところが、今年1月、医療保険制度改革に熱心に取り組んできたテッド・ケネディ上院議員(民主)の死去に伴う補欠選挙で民主党候補が共和党候補に敗れ、民主党が半世紀以上にわたって保持した議席を失うという波乱が起きた。
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ケンブリッジ市内

その原動力になったのが、「ティーパーティ」と呼ばれる草の根の市民活動家たちの運動だ。元々は、アメリカ独立戦争時に、英国の重税政策に怒ったボストン市民が港に停泊していた船から積荷の茶箱を海に投げ捨てた「ボストン茶会事件(ティーパーティ)」(1773年)にちなむ。この運動は今や全国を席捲、少しでもリベラルな姿勢を見せる候補者の追い落としを図っている。
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近くを流れるチャールズ川で大学対抗のレガッタが行われた

そして、今日のアメリカを象徴するキーワードはまさに、この「保守化」、「反リベラル」、「内向き傾向」だ。

民主党の苦戦が伝えられる中で、中間選挙の投票は11月2日に行われる。アメリカ国民はどんな意思を示すのか。

結果次第ではオバマ大統領の再選戦略にも影響を与えるだけに大いに注目している。

(2010年10月28日 吉田信三)